坂上研究室の概要

坂上研究室は、法政大学経営学部戦略経営学科に所属する研究室です。学部および大学院では「会計情報論」を担当し、会計情報の生成・蓄積・開示・利用をめぐる諸問題について、情報システムの視点を取り入れながら教育・研究を行っています。財務会計・ディスクロージャーを基礎としつつ、企業情報のデータベース化やXBRL、さらにはAIを活用した会計研究など、情報技術の発展に伴って広がる新たな研究領域にも取り組んでいます。

学部ゼミでは、財務諸表分析の基礎を学んだうえで、企業が公表する統合報告書を主な対象として、財務情報と非財務情報の両面から定量的・定性的な分析を行います。単に数値や記述を読み取るだけではなく、それらを手がかりとして、企業の経営戦略や事業活動、さらには持続的な価値創造のあり方について自ら考え、分析し、その成果を論理的に表現する力を養うことを重視しています。

学部ゼミは2年生から募集しています。3年生には統合報告書の分析レポートの提出を、4年生には卒業論文の執筆を必須としています。自ら課題を設定し、必要な資料を収集し、分析し、考察を重ね、その成果を一つの文章としてまとめ上げるという一連の過程を通じて、大学で学ぶことの集大成となる研究成果を完成させることを目指します。

大学院ゼミでは、財務会計・ディスクロージャー領域を中心として、各自が自らの問題意識に基づいて研究テーマを設定し、修士論文の完成に向けて研究を進めます。特に重視しているのは、関連する国内外の研究文献を幅広く渉猟し、それらを正確に読み解き、先行研究の到達点と課題を整理したうえで、自らの研究課題を明確に位置づけることです。文献を探す、読む、整理する、批判的に検討する、そして自らの議論を論理的な文章として組み立てるという、学術研究に不可欠な一連の技能を着実に身につけることを求めています。

修士論文や博士論文は、短期間で容易に完成するものではありません。地道な文献研究と試行錯誤を重ね、自らの考えを何度も問い直しながら、一つの研究として形にしていく粘り強さが必要です。その意味では、大学院ゼミでの研究には相応の努力が求められます。しかし、その過程を最後までやり遂げることによって、特定の研究テーマについての知識だけではなく、自ら問いを立て、必要な知識を探し出し、考え抜き、その成果を他者に伝わる形で提示する力を身につけてほしいと考えています。

研究テーマ

坂上研究室では、会計情報の生成・蓄積・開示・利用をめぐる諸問題について、情報システムの視点から研究を進めています。伝統的な会計情報システム論から、XBRLによる電子開示、さらにはAIを活用した新たな会計研究方法まで、情報技術の発展とともに変化する会計情報のあり方を幅広く研究対象としています。これまでの主な研究テーマは、次のとおりです。

事象アプローチによる会計ディスクロージャー

伝統的な財務諸表を中心とする会計情報の提供方法にとらわれず、企業活動を構成する経済事象に着目し、情報利用者の多様なニーズに対応した会計ディスクロージャーのあり方を研究しています。特定の利用目的に応じてあらかじめ集約された情報だけではなく、企業活動をより基礎的なデータとして捉えることによって、利用者自身が必要な情報を柔軟に生成・利用できる会計情報システムの可能性を検討しています。

会計情報システム論(データモデル・データベース)

企業活動に関する情報をどのような構造で表現し、蓄積・管理するべきかという問題について、データモデルやデータベースの観点から研究しています。会計情報を単なる帳簿や財務諸表としてではなく、企業活動を表現するデータとして捉え、その構造化とデータベース化を通じて、多様な目的に応じた柔軟な情報利用を可能にする情報基盤の構築を主要な課題としています。

XBRLによる電子開示システムの展開

財務・非財務情報を電子的に表現・交換するための国際標準であるXBRLを対象に、会計情報の標準化と電子開示システムの発展について研究しています。XBRLのデータ構造やタクソノミの分析に加えて、EDINETなどを通じて公開される企業情報を自動的に収集・蓄積し、データベース化することによって、大量の開示情報を会計研究や企業分析に活用する方法についても研究を進めています。

AIを応用した会計研究方法の探求

生成AIや大規模言語モデル(LLM)などの技術を会計研究に応用し、新たな研究方法の可能性を探求しています。特に、会計情報や研究文献を蓄積したデータベースとLLMをRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)によって結び付け、研究者自身の知識基盤を活用できる研究支援環境の構築に取り組んでいます。限られた計算資源のもとでローカルLLMを活用する方法も含め、文献探索、情報分析、仮説形成など、会計研究のさまざまな局面をAIによってどのように支援できるかを検討しています。

2026年度・坂上ゼミの募集要項

経営学部のゼミ募集の手順に従って、募集を行います。坂上ゼミの2026年度ゼミシラバスは、以下のリンクをクリックして閲覧することができます。

坂上ゼミの2026年度ゼミシラバス

  1. 選考にあたっては、まず坂上ゼミエントリーシートに記入し、入ゼミ担当の学生に提出していただきます。
  2. 続いて、面接を行います。日時等は追って入ゼミ担当の学生より連絡があります。
  3. 合格者は、Hoppiiを通じて公表しますが、面接者番号のみの公表となりますので、自分の面接者番号を憶えておいてください。